【PANDAN TREE】アジアの織物・シルバーアクセサリー・民族アートのオンライン・ショップ

カレン族について

カレン族（karen）は主にミャンマー（ビルマ）に約350万人、タイ北部に約40万人暮らす山岳民族です。

アニミズム（自然崇拝）をもとに、後に布教されたキリスト教と融合した形の宗教観を持ち、民族の起源は、チベット、ゴビ砂漠、フィリピン、ボルネオなどと諸説あります。

タイ国内ではカリアン（Karean/Kariang）またはヤーン（Yang）と呼ばれ、自らは彼らの言葉で「人」を表すパカニョ（Pa Ker Yaw）と自称しております。
首長族として知られるパダウン族（Padawn/Padaung）も、カレン族の一派です。
また、ミャンマー独立後、独立闘争の戦乱によってタイへと流入した難民も多く、近年もその流れは続いております。

カレン族シルバーについて

現在、カレン族がつくり出すハンドメイドのシルバーパーツにはアニミズムや自然と共存した生活に基づく形状（身近な動植物・生活用具を模った物など）や文様（モチーフ）が多く見られます。
また、魔除けの意味合いを持つ刻印も多用され、そこに作り手一人一人のインスピレーションなども加わり、一説によると実に700～800種類ものモチーフがあると言われております。
しかし、世代交代や環境の変化などに伴い、そのモチーフの持つ意味合いは徐々に忘れられつつあるとの事です。
反面、近年では伝統的な装身具づくりが減少しつつあるモン族などの山岳民族のアクセサリーデザインを取り入れた物も見られるようになってきました。

カレン族シルバーは全てハンドメイドで作られ続けております。
通常のシルバーアクセサリーの製造環境よりも素朴な環境で制作されている面もあり、細工を施しやすいように925シルバーよりも軟らかさのある高純度シルバーが使用されております。
おおよそ95～97%程、高い場合は99%のシルバー純度で、一般的なシルバー製品（925シルバー）の純度92.5%を下回ることはないため、独特の柔らかな温かみのある銀色が生み出されております。
また、こうした高純度シルバーが使用されている事からアレルギーの出にくい装飾品ともされます。
尚、一般的なシルバー製品の裏面に見られるような純度を示すホールマーク（925など）は施されないのがカレン族シルバーの元来の姿となります。
細めの銀線となるピアスフックにおきましては、強度を得るためにあえて925シルバー（純度92.5%）製のフックを使用されている工房さんもございますが、そうしたピアスフックが使用されている商品には詳細ページの素材欄にその旨を明記致しておりますので、どうぞ参照下さいませ。
因みに、銀が入手し難かった時代には、古い貨幣などを溶かして素材としていたそうです。

以前は自分達の身に付ける装飾品として製作されていたカレン族シルバーですが、その人気や生活のために近年は国内外から発注を受ける事が増えました。
異なる村やコミュニティーでつくられていても共通デザインの物が多々ありますが、シルバー純度の割合は工房により多少異なるため、上記の様に純度の幅が見られるそうです。
尚、一見同じに見えるアクセサリーでも、村やコミュニティーによって仕上がりの銀板や銀線の厚みが異なる事も多くございます。

また、銀価格高騰などの外的要因などのため、同じ村や工房でも時期や状況によってシルバー純度が若干変動する事が時折あるようですが、それでも95%程の高純度は保たれてつくられているそうです。

この様な時代や環境による変化はあったとしても、カレン族シルバーには小さなパーツも一つ一つ手づくりされる伝統が受け継がれております。
カレン族に伝わる味わい深いハンドメイドの品々を、どうぞお楽しみ下さい。

※当店では仕入れの度にシルバーの純度に関して製造者・販売店に確認を取っておりますが、各詳細ページに記載の銀純度はその折々にお聞きしたものとなりますので、ショッピングの際にどうぞ参考になさって下さい。

注：文章や画像の無断使用・転用・転載（引用）はお止め下さい。

カレン族シルバーの純度と、純度のホールマークの有無について

上に記載させて頂いたように、カレン族シルバーはおおよそ95～97%程、高い場合は99%のシルバー純度でつくられ、元来、シルバー純度を示すホールマーク（有名な物では銀純度92.5%を表す925など）は刻印されずに制作・販売されてきました。

当店で仕入れをしているカレン族シルバーは、上の「カレン族シルバーについて」に記載させて頂いたように製造者・販売店に純度の確認を取った上で仕入れを行い、各詳細ページに純度を記載させて頂いております。

純度95%以上でつくられるカレン族シルバーでありながら、昨今、925のホールマークのあるカレン族シルバーも増えつつありますが、その理由を製造者の方に伺った所、EUの多くの国やロシアでは銀純度のホールマークが無いシルバーアクセサリーの輸入が許可されない事情もあり、その方面に顧客を多く持つ販売店や製造者が顧客の要請でシルバー純度の主流である925の刻印を施し始めたとの事です。
925の刻印が施されているカレン族シルバー製品でも、実際はそれ以上の高純度（95%以上）で作られておりますので、どうぞご安心下さいませ。
（※2002年のオープン以来、仕入れ品の中に999のホールマークが施されたシルバーパーツが含まれていた事が一度ございますが、こうした実際の純度に則ったホールマークが施されている事は稀なようで、現在、ホールマークが施されている場合には925が主流となります。）

当店では、カレン族シルバーを愛好されている方々に誤解を生じさせないために出来るだけ元来通りに925の刻印が施されていない物を要望してオーダーをしたり、直接現地にて選択しながら仕入れを致しておりますが、昨今、カレン族シルバーの工房や卸し店においてEU・ロシア向けの925の刻印が施されたアクセサリーが混在している割合が増えております。
そのため、一部検品ミスにて925の刻印が施された品が含まれる事もございます。
また、デザインによっては925の刻印が施された物しかない場合も増えてきており、バリエーションを考えて敢えて925の刻印がある物を仕入れする場合もございます。
そうした925の刻印が施されている品にはその旨を詳細ページに明記致しておりますが、銀純度は従来通りにおおよそ95～97%程となりますのでご安心下さいませ。

尚、他店様のカレン族シルバーの純度などにつきましてのご質問も時折頂きますが、誠に申し訳ございませんが当方では分かりかねますので（工房ごと、または同じ工房でも上の「カレン族シルバーについて」に記載させて頂いたように、時期や状況によって純度に違いや変更がある場合もございます）、そちらのお店にお聞き下さいます様お願い致します。

カレン族シルバーについてのご留意&ご注意

カレン族シルバーは、細かなパーツに至るまで、一つ一つ手づくりされております。
そのため、形が多少いびつな物、刻印の濃淡の差やズレなどが含まれることもございます。
どうぞ、手づくり品ゆえのカレン族シルバーの味わいとご理解の程、お願い致します。

燻し加工につきましても、アクセサリーの表面だけに燻し加工を施して裏面や内側は行わない物、全体的に燻し加工をしてから余分な燻しを磨いて落としている物、燻し加工がある程度裏面に残ったままの物など、各職人さんや個々の品によって様々な状態となっておりますので、その点も併せてご理解の程お願い致します。

上記の様に、カレン族シルバーの刻印部分には燻し加工が施されております。
お手入れの際に洗浄液に入れてしまうと、せっかくの刻印部分の燻しが薄くなり、のっぺらぼうで味わいの薄い風情になってしまいますので、洗浄液は使わずに磨き用クロスや柔らかめの布でお手入れして下さい。

また、長期間使用なさらない場合には他のシルバー製品と同様に、空気に晒されることにより硫化を起こして黒ずむことがありますが、カレン族シルバーの場合は、一度硫化で変色すると、くすみを落とす塩梅がスターリングシルバーやシルバー925よりも難しい面がございます。
長期間お使いにならない時は、汗などの水分・皮脂を十分に拭いて乾かした後、布などで包んだ上でチャック付ビニール袋などに入れての保管をおすすめ致します。
シルバー専用の洗浄液も、通常のスターリングシルバーやシルバー925に使用する分には便利ですが、カレン族シルバーの場合は、場合によっては表面が濁ったような白味を帯びて変質してしまうことがありますので、ご使用はお避け下さい。

一番のおすすめは、しまいっ放しにせずに時折ご使用頂くことかと思います。
身に着けて頂くことにより、日常生活の上で肌や衣服などの布地とアクセサリーが程よい塩梅で擦れ合うために、変色し（くすみ）難い状態が続きます。

カレン族シルバーは、他の貴金属素材やスターリングシルバーやシルバー925などに比べると銀の純度が高いために若干柔らかめとなります。
無理に引っ張ったり頻繁なサイズ調整を行うと、金属疲労などを起こし破損の原因となります（通常の使用には支障ございませんので、ご安心下さい）。
また、周囲の物にぶつけたり引っ掛けるなどによっては変形・細かな傷が生じることもございます。
どうぞ、ご使用の際にはその点にご注意下さいませ。

【カレン族シルバーの制作工程に伴うご注意点】

カレン族シルバーでは、仕上げの磨きの工程において細かな鉄粒やスチール製研磨材を使用する工房もございます。
また、以前には身近な赤土を磨く際に使用する事もあったそうです。
そのため、細かなパーツや刻印などの場合は、稀にではありますが、刻印の溝に残存した微細な鉄分によって使用を始めてまもなくのうちに汗と反応して刻印部分に赤錆を生じる場合がございます。
万一、ご使用後1ヶ月以内にその様な赤錆が生じた際は、洗浄と補修を行わせて頂きますので、どうぞお問い合わせ下さい（使用後1ヶ月経ても赤錆が生じない場合は、刻印の溝などに鉄分が残存していない証ですので、どうぞご安心下さい）。
※ カレン族シルバー自体は前出の通り銀純度が95～97%（高い場合には99%程）、残りの1～5%分にて銅を主体に混ぜてつくられております。
アクセサリー自体に鉄を混ぜてつくっている訳ではございませんのでご安心下さい（あくまでも、仕上げの磨き材として使用される事があるという意味合いです）。

カレン族シルバーの刻印（文様）や形について

700～800種類ものモチーフがあると伝えられるカレン族シルバーの中でも、主な文様（モチーフ）や形を簡単にご紹介します。
今日、パドゥア・花様の魔除け・方位除け・四方除けとして伝わる刻印などには、アユタヤ朝などのタイ周辺で栄えていた古代王朝で流通していた貨幣（Pod Duang/Pot Duang）に刻印されていた模様からヒントを得たと伝わる物や、他の山岳民族の装飾品から着想を得たものなども多く、様々な文化の影響も窺えて興味深いものです。

◆パドゥア（Phadua）
カレン族シルバーの中でも代表的な文様の一つです。
元来は、上記のように古代王朝で流通していた貨幣（Pod Duang/Pot Duang）に刻印されていた模様で、この7つのドットでデザインされた花の刻印は繁栄や幸福を表すシンボルとして好んで用いられるようになり、魔除けの意味合いも込められているそうです。

◆渦巻き
カレン族シルバーには渦巻き状のモチーフも多用されますが、カレン族に伝わる宇宙観・家族観が表されていると伝えられます。
また、緩やかな渦巻きは貝やカタツムリを表すこともあります。
モン族などではカタツムリは魔除けと共に家族の成長と繁栄の意味合いを持つとされ、モン族の伝統的なアクセサリーの影響も見られるカレン族シルバーにもこうしたカタツムリ状の物が見られます。

◆生活用具
生活に密着した用具もまたカレン族シルバーに登場するモチーフです。漁の際に魚を入れる魚籠（ビク）や、ご飯やおかず・お菓子などを包む折り紙のような葉の容器を模った物も見られます。

◆魔除け
魔除けの刻印もカレン族シルバーには多用されます。
様々に描写されますが、右の画像のパドゥアに似た花様の魔除けの刻印はパドゥア・渦巻きと共にカレン族シルバーの中でも多用されるモチーフです。

◆第三の眼
こちらの第三の眼も魔除けの意味合いを持つ刻印の一つです。
悪霊・邪視による災難が持ち主に降りかからない様に見張ってくれる文様で、リアルな眼として描かれる他、◎などのように簡易に表されることもあり、その描写は様々です。

◆動植物
花・葉・植物の実・稲穂・象・魚・貝・亀・蝶・蛇・トンボ・てんとう虫など、実に様々な自然にまつわるモチーフがあります。

◆太陽
自然に様々な恵みを与えてくれる太陽。
その太陽もカレン族シルバーの中にあしらわれることの多い文様の一つで、様々に刻印されております。

◆方位除け・四方除け
何気なく見えるほんの小さな幾何学模様にも意味合いが含まれているそうです。
三角形や矢印は方位除け、×マークは四方除けとして持ち主を守る魔除けの意味合いがあると言われております。

◆スピリット・ロック
モン族のネックレス（ペンダント）にあしらわれた錠を模った物で、形は様々です。
心身に外から悪いものが入らないように守るため錠をかけるといった魔除けの意味合いを持ちます。

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